抗日戦争・世界反フアシズム戦争勝利60年座談会 ( 2005/8/13 )
抗日戦争・世界反フアシズム戦争勝利60年座談会
中国総領事館主催・協会福岡県連などから総勢35名が参加
中国では、中国人民抗日戦争・世界反フアシズム戦争勝利60年の今年を記念して、国家的行事が相次いで行なわれています。
福岡でも8月13日、座談会が開かれました。
はじめに、武亜朋総領事が挨拶し、この記念行事が「歴史を顧みて、抗日戦争で経験した民族精神を高揚させ、世界平和の発展のために貢献するため」に開かれていることをのべました。
つづいて、抗日戦争とファシズム戦争の歴史認識ついて触れ「戦争の本質をはっきりつかみ、犯した過ちを認めることが大切だと」語りました。
靖国参拝問題について、「戦争を引き起こしたA級戦犯を祭るところに総理や官房長官が参拝することを中国国民はけっして受け入れられない」と毅然として語りました。
最後に、「中国は日本の友人と手を携えて、中日友好のために、歴史の教訓、経験を生かし、今後も一層がんばっていきます」と平和に向けての決意を語り、「今日は自由に語り、発言してください」と開会の話を結びました。
この武総領事の挨拶に応えて、最初に松山盛利県連事務局長が発言を求め、記念すべき座談会に招待されたことについての謝意を表し、つづいて、55年間、困難な中でも中国国民を信頼し、友好・平和と相互理解を深めるために様々な運動を行ってきた、日中友好協会の活動を紹介しました.。そして、当日、出席した、「八路軍に参加した人、中国強制連行事件、残留日本人孤児の支援、中国語講座運営などで、日夜奮闘しいてる6名の会員の話を聞いて欲しい」と発言しました.。
福岡支部副支部長で戦争を知らない世代の弁護士の後藤富和さんは「日中間の清算をきちっとすることは、今後の日中友好のために大切です。それがなければ又、戦争を起こすと思います。9条が改正されようとしています。自由に戦争ができるようにするためです。私は強制連行・労働裁判の弁護士ですが、裁判は全国で負けています。しかし、強制連行・労働の事実はどこも認めています。ところが、政府は何も言わない。今こそ、過去を問いただす時です。日中韓、三国が手を取り合えば必ず大きな力になります。しかし、日本はアメリカばかりに目を向けている。こんな状況を改めさせ、日中友好を発展させることが大事だと思います」と語りました。
3歳で大連に父母とともに渡り、小学校3年生のときに敗戦を迎え、18歳で帰国した深谷節子さんは、「弟妹は33年間、中国の養父母に育てられました。感謝の気持ちでいっぱいです。20年間、私は、学校で子どもたちに話をしています。戦争が日本にもたらした不幸を2度とさせてはなりません。ところが、国は被告であるが反省はしてはいません。今、私は日中友好協会の会員として学ばされています。人生大学のようなものです。2度と過ちを繰り返させてはなりません。私は1人の国民として、母親として行動を今後も続けていきたいと思います。戦争の悲惨さを語っていくことが大事だと思います」と戦争体験者としての思いを語りました。
また、華僑総会の人は「母親は纏足(てんそく)でした。シナ人、チャンコロと石を投げられたこともあります。しかし、ほとんどの周りの人は善良な人でした。オ偉い人のために、国民はひきづられ、みんなだまされた。誰が戦争の責任を取ったか。教科書問題、日本のマスコミも右翼にマイクを渡すようなことをしています。中国は私の母であり、命です。日本は正しい教育をすべきです」と今日の日本を憂えていました。
また、別の華僑の人も「教科書には戦争がいつあったかさえ載っていない。大学生さえ戦争を知らない。戦争は市民を苦しめるもの。平和のために日中両国民は仲良くしよう」と日中友好の大切さを訴えました。
中華料理店の経営者で、シャンソン歌手でもある女性の人は「父は、大牟田の炭鉱に連れてこられました。3年前に亡くなり、荼毘(だび)にふした時、銃弾が腰の付近から出てきました。私は4人の子どもたちにも、唄うときも、政治のことを敢えて話します。私が歩んで来た道や中国人であることを~」と凛とした中国人の誇りが伝わってきました。
九州平和友好会の会員から「八路軍の規律はすばらしかった。今の日本は戦争への清算はしていない。国民は昔のごとく洗脳されたままです」「中国の子どもたちのために、毎年30万円援助を続けている。日中友好は大切」などと発言がありました.。
また、新聞社の元北京特派員の人は「小泉首相の批判をするといやがる人がいる。日中友好は50年、100年単位で取り組む必要がある。それは、人を育てることです。政府や行政が留学生を相互に交換し、お互いに勉強していくとが大事です。交渉だけではダメです」と日中友好の今後のあり方について発言をしました。
活発な発言が続きましたが、最後に武総領事が「みなさんの発言を聞いて感激しました。大変、見識が高く誠実で、他に見られない良い座談会であつたと思います。日中両国はどんなことがあつても、仲良くしていく、そうしなければ互いにマイナスになります。手を携えてがんばっていきましょう」と閉会の言葉を述べました。
2005年 8月 21日 福岡県連合会 中国人強制連行・強制労働事件 中国残留邦人帰国者 | Permalink
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