戦争の愚かさ、悲惨さを回顧録に 「五歳で超えた三十八度線」 尾崎満知子さんが出版


会員の尾崎さんが綴った引き揚げの回顧録 「5歳で越えた38度線」が人々に感動を与えています。
尾崎さんは、1943年佐世保市生まれ。職業軍人の父親に伴われ「満州」へ移住。45年8月、敗戦により父親は、シベリア抑留され、4歳の時、母、姉、弟、妹5人で故郷を目指したものの、食べるものもなく病気が蔓延し、 弟と妹も命をおとしました。4百人ほどの同行者は、半分に減り、「ソ連兵」に乱暴された女性もいました。
幸いに、尾崎さんは、21年9月、日本に帰ることができました。3年後に、父親もシベリアから帰国しましたが、抑留中の苛酷な労働で体を病み脳溢血で倒れ、闘病生活後、若くしてこの世を去りました。
尾崎さんは、同じ引き揚げ者で、作家の五木寛之さんの「生きて真実を語れ」の言葉に動かされ「回顧録」の執筆を思い立ちました。
夫と二人の子を失い、戦前戦中を懸命に生き抜いてきた96歳の母親を日々あたたかく見守っている尾崎さん。「戦争の愚かさ悲しさを訴えなければ・・。戦いのない世の中になつてほしい」と一語一語かみ締めるように静かに語ってくれました。
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