演目『美猴王』
美猴王




今回の演目の一つ、美猴王(びこうおう)は、『西遊記』の主人公・孫悟空が三蔵法師と出会う前の話。まだ頭にワッカをはめられていません。孫悟空はあばれ放題?!
各公演によって、「竜宮で大あばれ」(鬧龍宮)、「地獄で大あばれ」(鬧地府)、「天界で大あばれ」(鬧天宮)が上演されます。
それぞれ、どんなお話か。おなじみの加藤徹先生の、京劇サイト「京劇城」の演目紹介、実況中継から抜粋しました。
内容は、京劇団によっても変わっており、常に話も新しくなっていたりします。今回の公演も、また違ったものになっているかもしれません。お楽しみください。
■ 鬧龍宮 (とうりゅうぐう)
岩から生まれた孫悟空は、修行の末、神通力を身につけますが、まだ手ごろな武器を持っていません。そこで孫悟空は、海の底にある龍宮城に行き、龍宮城の主である龍王に、武器を貸してくれるよう頼みます。龍王は内心、孫悟空に武器を貸すのが嫌でした。そこで龍王は、重さが何万斤(きん)もある如意棒(にょいぼう)を出してきて、もし孫悟空がこの重い棒を扱えるなら貸してやろう、と言いました。孫悟空は、重い如意棒を見事に扱います。龍王は後悔し、約束を反故(ほご)にして孫悟空に武器を貸さないと言いだしました。孫悟空は怒って、龍宮城で大暴れしたすえ、自分の根拠地である花果山(かかざん)に凱旋してゆきます。
■ 鬧地府 (とうちふ)
如意棒を奪った孫悟空。竜宮城の主・龍王は、地獄の閻魔大王に泣き付いた。閻魔大王は、生死簿を改竄して悟空の寿命をごまかし、悟空の霊魂を地獄に引っ張ってくる。が、悟空は霊魂になっても強く、地獄で大暴れしたあげく、生死簿を破り捨てて不死身となり、地上界に凱旋する。
■ 鬧天宮 (とうてんきゅう)
天帝は、下界の暴れ者である孫悟空を丸めこむため、彼に「斉天大聖」(天と同格)の称号を与える、と甘い言葉で騙す。その後、西王母が蟠桃会(ばんとうかい)を開いたとき、悟空は招かれなかった。彼は真相に気付いて怒り、天上界に忍び込み、神々の桃や酒や仙薬を盗み食いしてうさを晴らしたあと、下界に帰った。天帝は天将天兵を下界に攻め込ませるが、悟空はこれを撃退する。
□ もっと詳しくは、京劇サイト「京劇城」で。 (その中の京劇実況中継の「と」の欄に、鬧龍宮と、鬧天宮があります。)
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